「築地魚河岸三代目」
    
「ラブファイト」 
      そして
「クライマーズ・ハイ」 


 先月に続き今月も 映画プロデューサーの渡辺敦さん(高17)に6月7日(土)に公開されたばかりの築地魚河岸三代目(主演 大沢たかお 
松竹映画シリーズ化決定)、また 同じスタッフで制作中の今秋公開予定
「ラブファイト」
北乃キイ・林遣都 主演)についてお話をお伺いしました。

 C) 「築地魚河岸三代目」製作委員会


築地魚河岸三代目」の脚本プロデューサーからの見所を教えて下さい

築地魚河岸は関東大震災の後に、日本橋魚市場から移転したのが始まりです。
従って現在の卸店経営者は全店が三代目となるわけです。
その上、設立当初から新規参入は無く、狭い市場内での85年間の同じ顔ぶれの付合いとなります 。
経営者も従業員も早朝仕事のため、みな築地界隈に居住します。
子供も親も、爺さんも 同じ小学校で育ってきたという特殊な生活空間な訳です。
現在ではほとんど垣間見られるなくなった日本古来の村社会が、東京のど真ん中に化石のように存在 するわけです。  

原作漫画は季節ごとの築地で扱う魚のうん蓄がメインの話ですが、映画ではこの都会の中村社会 特殊な人間模様を中心にストーリー展開しています。
そこが脚本コンセプトなわけです。

子供たちの職業選択の自由はないわけです。
噂は直ぐに広がる狭苦しい村社会です。
跡継ぎはどうしよう、嫁さんのキテはあるのか。
当然、家族関係は鬱陶しいほどに濃密になります。
ここに着目して、その人間模様をユーモラスに描きつつ、親子、兄弟、夫婦といった家族愛の有様を 、築地魚市場の独特な仕事を絡めて描いています。

私達日本人の奥底に眠っている、DNAのような家族愛の心情を思い出して貰うことがテーマです。 ハンカチを手にして見てください。


さて、「魚河岸」では主人公を演じる大沢たかおサンが「ラブファイト」ではボクシングジムの会長に扮するそうですね。エンディング・タイトルロールに若者に大人気の 「ファンキーモンキーベイビーズ」のオリジナル曲の起用が決まったとか。
今秋公開に向けて、現在どのような作業をされているのでしょうか?

編集が終わったのが5月9日(オール・ラッシュ編集と呼ぶ)です。
それから「効果音」と「音楽作曲」の製作に入りました。
両者が出来上がると、撮影現場で録音した「セリフ」との音のミックス作業になります。
今回は5月21日〜24日の4日間でした。
映画では「ダビング」といい、テレビでは「サウンド・ミックス」と呼びます。

映像と音の素材が出揃そろったところで、煮るも焼くも監督次第で、監督の才能が問われる映画で一番大事なクリエイティブな作業になります。
当然プロデューサーも立会いです。 これで全ての作業が終わります。
出来上がったデーターを現像所(今回はイマジカ)に送り、現像が終わって6月2日の試写(0号と 呼ぶ)にたどり着いたわけです。

更にこの現像された色調を、監督の意向を含めてカメラマンと現像技師との専門家同士の打合せを経 て、色調修正された現像修正フィルムを初号プリントと呼び、今回は「ファンキー・モンキー・ベイビーズ」とのタイアップのためオリジナルサウンドを待っての完成となります。

ここからはマスコミ試写や、一般観客を招待した完成披露試写会といった、宣伝・配給会社仕切り宣伝・PR活動に入っていきます。
その一環として、「ラブファイト」は秋の東京国際映画祭への出品を目指しています。

余談ですが、「ラブファイト」の成島出監督が脚本を手がけた「クライマーズ・ハイ」(主演 堤真一 7月5日(土)公開)にも当初かかわられたそうですね。

この作品も公開が迫っています。 実は4年前に東宝から脚本開発を依頼されました。
日本沈没」(樋口監督)の脚本が旨くいったので、同じ脚本チィームに声がかかったわけです。
加藤正人氏(シナリオ作家協会会長)と成島出氏と三人で、御鷹山と言う日航ジャンボ機墜落現 場の山頂に登り犠牲者の冥福を祈り、シナリオハンティングが始まりました。
山頂は強烈な印象でしたので思い出深いです。 脚本が完成したところで東宝の会長の鶴の一声で中止となりました。 当時、理由は定かでは無かったが、どうやら東宝の株主に日航が入っていた事が真相の様です。

加藤正人氏が脚本家としての無念さを「雪に願うこと」(根岸吉太郎監督・加藤正人脚本)の撮影打 ち上げで吐露しjたところ、この映画の製作者である若杉プロデューサー(ビーワイルド社長)が聞 けつけて、脚本を東宝から買い上げてくれました。 やっと原田眞人監督ビーワイルド製作東映配給で復活したわけです。 ベースのオリジナル脚本では、確かに私は脚本プロデュースとして参加しました。 しかし、この作品の脚本はビーワイルドのプロデューサーが立ち原田監督の手が加わっており、私は 参加していません。

監督の原田眞人氏は東高ご出身ですね。

東高とは沼津東のことでしょう? 原田眞人監督が東高出身とを驚きました。 どこかで会う機会が有れば声掛けてみたいです。

お話を伺っていると、まさに映画作りも人間社会そのものですね。それだけに楽しそうでもあります。
同窓会で渡辺さんにお会いした方が
目の輝きが違った」とおっしゃってました。
次回もご協力お願い致します。


←今年の関東同窓会にて 右から2番目が渡辺さん

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